「モモ」から学ぶ時間の価値。もっと、もっと早く出会いたかった。子供の頃に読んでいたら、人生変わっていただろうなと思う一冊。『モモ』 ミヒャエル・エンデ作
「あ〜もしこの本を子供の頃に読んでいたら…、遅くとも大学入学までに読んでいたならば…、
いや、せめて大学生の頃に読んでいたら、
鬱にならずに済んだな…。」と思う。
仕事や日常の「幸せ」「楽しい」って感じる瞬間を排除したり、決して粗末にしてはいけないと教えてくれる一冊。
「自分の時間の価値」について、もう一度考えさせてくれるこの本。
時間がなくて苦しいと感じたら、それは「あなたの時間の価値」が誰かの作ったデタラメな計算の罠にハマっているのかも。
そんな時は、この本と一緒に自分の時間を取り戻す旅に出かけましょう。
それでは、この本から学んだ事を筆者の体験談とともに紹介いたします。
あらすじ
粗末な身なりをした身寄りの無い少女、モモ。
ある日、モモは廃墟となった円形劇場に住みつきました。
街の人々は、小さな女の子が廃墟の劇場に一人で住むことを心配したけれど、モモの望みを聞き入れ、劇場に住ませてあげることに。
それから、街の人々は、食べ物や毛布などの生活に必要なものを届けて、モモの面倒を見てあげます。
街の人たちはモモを助けてあげるうちに、あることに気がつきました。
それは、
モモに話を聞いてもらうと、硬くなった心が柔らかくなり悩みが消えていくということ。
街の人の話をじっと話を聞いてくれるモモ。
モモは街の人にとってかけがえのない存在になっていくのでした。
ところがある日、「灰色の男たち」が街に現れます。
「時間を貯蓄銀行に貯めると命が倍になる」と
彼らのデタラメな計算のせいで、町の人々から「時間」が奪われ始めて…。
モモは、灰色の男たちに奪われた時間を取り戻そうと戦います。
「時間」がテーマのこのお話。
この本には、日々忙しさに追われても、心に入れておきたい大切な学びがあります。
まえがきにも勇気づけられる。アイルランドの子供の歌が衝撃的。
この本の、物語の第1章の前のページにこんな歌が載せられています。
”やみにきらめくお前の光、
どこからくるのか、わたしは知らない。
ちかいとも見え、とおいとも見える、
おまえの名をわたしは知らない。
たとえおまえがなんであれ、
ひかれ、ひかれ、小さな星よ!
(アイルランドの子供の歌より)”
もう、いきなりこれ。
「たとえおまえがなんであれ、
ひかれ、ひかれ、小さな星よ!」
強烈です。
私は、つい3回もこの詩を読み返してしまいました。
世の中には
「光るためにはこうすべき!」
「こうすれば光れる!」的なメッセージが多くて(そういうメッセージも嫌いじゃ無いけど)。
それらのメッセージの中には、方法なり何かしらの指示が入っているものだけど、(もちろんそれらのメッセージに悪意はなくて、応援したいとか優しい意図があるのはわかっている。)
でも、この詩は
「たとえおまえがなんであれ」と、
あなたが何者でも、
何を好きでもいい、
自分なりに「光れ」って言ってくれている。
力強く、
だけど、
何も方法を強制しない。
何も強制しないんだけど、
力強く背中を押してくれる。
なんとも優しく頼りがえのあるおじさん先生の感じ。
ああ、こんなふうに言ってくれる先生に出会っていたら、人生違かったかもしれない。。
と、
つい思ってしまう。
でも、大丈夫。
もうこの本に出会ったから。
読めば、
わたしの中にも、
あなたの中にも、
力強く、
だけど、
何も強制しない。
何も強制しないんだけど、
力強く背中を押してくれる。
なんとも優しく頼りがえのあるおじさん先生が現れます。
モモに学ぶ「幸せな時間の管理術」
あなたにとって大切なものはなんですか?
あなたは、あなたの人生で「何を体験したいですか?」
あなたは「あなたの喜び」のために時間を使えていますか?
忙しいくて、自分を忘れそうな時ほど、この問いを自分にしてあげること。
そして、気持ちが迷子にならないように、
心の真ん中に大切なものを置いてあげること。
これがとても大事なんだなと、この本を読んで改めて思います。
でないと、
幸せに向かっていたはずが、
逆に幸せが奪われるという罠にハマってしまうから。
何気ない生活の中に、その罠はひそんでいるののです。
「インチキな計算」で幸せな時間を奪う罠に注意!
「モモ」で本当に見事に絵描かれているのが、今より、もっといい暮らしがしたいと、時間を管理し始めたら、気がついたら幸せが奪われていたという時間の罠について。
作中に出てくる、床屋のフージー氏は
この罠にはまってしまいます。
彼は名高い理髪師というわけではないのですが、その界隈では評判のいい床屋さん。
貧乏でも、金持ちでもありません。
彼の店は小さい店でしたが、使用人も一人いました。
ある雨の日、彼はお店の前に立って道路にはねる雨をながめていました。
その日は使用人もお休み。フージー氏は入り口に立ってお客さんを待っていました。
いやな灰色の日です。
フージー氏の気持ちも灰色でした。
「おれの人生はこうしてすぎていくのか。」と彼は考えました。
『モモ』ミヒャエル・ヒンデ (p.76) https://amzn.asia/d/2hbfNN6
「はさみと、おしゃべりと、せっけんの泡の人生だ。俺は生きていてなんになった? 死んでしまえば、まるでおれなんぞもともといなかったみたいに、人に忘れられてしまうんだ。」
ほんとうは、彼はべつにおしゃべりをするのがきらいではありませんでした。むしろ、お客をあいてに長広舌(ちょうこうぜつ)をふるい、それについてのお客の意見を聞くのが好きだったのです。
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はさみをチョキチョキやるのや、せっけんの泡をたてるのだって、いやなわけではありません。
仕事はけっこうたのしかったし、うでに自信もありました。
けれどそんなフージー氏にも、なにもかもがつまらなく思える時があります。
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そういうことは、だれにでもあるのです。
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「おれは人生をあやまった。」とフージー氏は考えました。
「おれはなにものになれた? たかがけちな床屋じゃないか。
おれだって、もしちゃんとしたくらしができてたら、いまとはぜんぜんちがう人間になっていただろうになあ!」
でも、このちゃんとしたくらしというのがどういうものかは、フージー氏にははっきりしていませんでした。
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なんとなく立派そうな生活、ぜいたくな生活、たとえば週刊誌にのっているようなしゃれた生活、そういうものをばくぜんと思いえがいていたにすぎません。
自分にとって何が「ムダな時間」なのか、その判断を誤ると人生が灰色に…
「モモ」から学ぶ「時間を節約する代償」とは、うつの実体験談をもとにした筆者の考察。
モモに学ぶ「聞く技術」
「7つの習慣」の著者も『モモ』を読んでいた!?
今話題のジャーナリングの効果は、まさに「モモ」の聞く技術だと思う。
元俳優の作者、ミヒャエル・エンデについて、思うこと。
ミヒャエル・エンデの経歴。
まるで引き寄せの法則? 俳優挫折からベストセラー作家になるまで。
若者に伝えたい。だから「モヤモヤ期」は決して無駄じゃない。
ミヒャエルが作家として成功するまでを見て思うのが、「もやもや期」は決して無駄ではないということ。
俳優になりたいという夢を諦めて、
望んだ仕事に就けない「もやもや期」があっても、
本を書く運命がちゃんと巡ってきて、
世界中のたくさんの人に素敵な物語を届けられたんだから。
ミヒャエルが「もやもや期」の中で、
悩んで、考えて、感じたこと
それがしっかり彼の物語に詰め込まれて、
たくさんの人の心に届いて、
今日も誰かの心を救っていく。
「もやもや期」はなぜ起こる?もやもや期の対処法。
世の中には、いろんなノウハウが溢れていて、
情報を伝えてくれるツールも、これでもかというほど沢山ある。
だから、時として、頭の中が雑音だらけになってしまう。
雑音だらけになってしまうと、肝心の自分の声や自分の望みがかき消されてしまう。
「〜すべき」とか、
「〜しなさい」とか、
そうしていないと怒る人が近くにいるような場合は特に。
そして、
ときに、そうしていないと怒る人っていうのが自分自身だったりすることも…。
そんな時に、自分を見つめること、
「自分の本当の望みを見つけるために、内なる旅をする時間」
これが、もやもや期の正体だと思う。
はたから見たら、
「内なる旅」出かけている人って、
言っていることがコロコロ変わって、
なんだかやる気のなくて、
意思がない考えが足りない人って
印象になってしまっているかもしれない。
そのせいで、誰かに何かの結論を出すことを迫られるかもしれない。
それに、
もやもや期にいると、目的地が定まっていない感じで、どこにいけばいいか分からないし、自分自身もなんだかスッキリしない。
そして、いつ、その「もやもや期」が明けるのかが分からない。
出口が見えない感じがするもの、この時期のしんどいところだ。
だけど、そんな時は、
「きっと、幸せいっぱいの未来があるはずだから、大丈夫。」と、「根拠のない大丈夫」を自分に言ってあげてほしい。
自分の人生を少し信じてあげてみて。
誰がなんとあなたを否定しようと、
世界中が、あなたは悪者だと言ったとしても、
あなただけは、あなた自身の味方でいてあげてほしい。
「どうにかしなきゃいけない大きな問題」に向かったきり帰ってこないあなたの意識を、
あなたの「好き」「楽しい」「心地いい」に振り向かせてあげてほしい。
それから、
「好きなこと」「楽しいこと」「心地いいこと」のために時間を使うことを自分に許してあげてほしい。
それが、あなたが、あなたを救ってあげられる、とても大切な方法だど思う。
喜びを味わう瞬間をとり戻して
好きなことや楽しいこと、
幸せを味わっていると、
自然と答えがわかる瞬間が来ると思う。
焦らずに、
じっくり、
今日も自分の声を聞いてあげよう。
モモのように。
そうすれば、あなたにしか出来ない何か、
あなたがやりたくて仕方ない何かが
自然と現れると思う。
私がそうだったから。